とと姉ちゃん|暮しの手帖の戦争中の暮しの記録がすごかった!
朝ドラ『とと姉ちゃん』では、アカバネ電器製造との抗争にも
ピリオドが打たれ、商品試験のエピソードも一休みです。
ここまで「直線裁ち」や「料理の連続写真」など様々な企画で
読者を惹きつけてきた「あなたの暮し」ですが、
いよいよ物語も最終盤にさしかかります。
ところでドラマに登場する同誌の様々な人気企画も、
モデルとなっている「暮しの手帖」の企画が元ネタです。
「直線裁ち」や「商品テスト」などは、同誌の名物企画でした。
そんな「暮しの手帖」を代表する企画でドラマで未だ描かれていないのが、
「戦争中の暮しの記録」です。
これは昭和43年(1968年)に掲載された企画ですが、大きな反響もあり
単行本化され、現在でも売れているロングセラーです。
そちらをご紹介していきます。
コンテンツ
暮しの手帖の戦争中の暮しの記録がすごかった!
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「暮しの手帖」の「戦争中の暮しの記録」は、終戦から二十年余り経って、
再び戦争を繰り返さないためにあえて戦争中の記録を残そうという趣旨で
おこなわれました。
そしてその題材となった記録は、すべて公募で集められました。
戦争中に何を食べて、何を着て、どんな風に生き、どんな思いで
戦ってきたかを募って、最終的には1736通の応募から選びました。
しかも驚くべきはこれを別冊や臨時増刊などではなく、
人気雑誌だった「暮しの手帖」でやったことです。
つまり昭和43年8月発売の96号は丸々「戦争中の暮しの記録」でした。
当時は何といっても「商品テスト」の記事が花形でしたが、
これを休載してまでこの企画を掲載したのです。
その理由は別冊や臨時増刊などでやるよりも、
多くの人に読んでもらえるからでした。
当時の同誌は80万部を超える部数を誇る人気雑誌で、
定期購読者も多かったことから、あえてこのような形をとりました。
これを提案したのは社長の大橋鎭子でしたが、花森安治も即断し
トントン拍子でこの企画は実現されました。
同誌ではひとつのテーマだけを掲載したことはなくかなりの賭けでしたが、
悲惨な戦争を二度と起こさないためにもこの企画を断行しました。
しかも「戦争中の暮しの記録」が掲載された96号はかなりの反響があって、
瞬く間に売り切れる書店も続出。
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当時の「暮しの手帖」は80万部を発行していただけに、
50号以降は増刷をしていなかったのですが、
この96号だけは例外的に10万部も増刷しました。
しかも増刷分も年内に売り切れてしまうという反響ぶりでした。
さらには読者からの希望により、翌44年には単行本版を発売し、
これは増刷を重ねながらも現在まで売れています。
鎭子や花森の「この本だけはボロボロになっても読み継がれてほしい」
との願いは、今も叶っているようですね。
ドラマも佳境に入っていますが、この「戦争中の暮しの記録」は
描かれるのでしょうか?
戦争がテーマになっているだけに扱いは微妙ですが、
鎭子や花森の願いも多分に含まれていることから、
ぜひともやってほしいところですね♪
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