とと姉ちゃん|雑誌あなたの暮しは売れる?目玉企画の直線裁ちとは?
朝ドラ『とと姉ちゃん』では、花山伊佐次という強力な助っ人を得た
常子たちの雑誌「スタイルブック」の第2号は大いに売れて
1000部を完売することになります。
花山の助言をもとにした洋服用の下着の企画がウケたのですが、
喜びも束の間で花山は今のままでは雑誌はすぐに売れなくなると
ダメ出しをします。
そのため常子たちは衣食住すべてにおいて生活の知恵や工夫を伝える
総合生活誌「あなたの暮し」に着想することになります。
そして記念すべき創刊号の目玉企画は、花山の提案した「直線裁ち」で
反物からワンピースを作る方法。
果たして「あなたの暮し」の創刊号は売れるのでしょうか?
目玉企画の直線裁ちとはどのようなものなのでしょうか?
コンテンツ
雑誌「あなたの暮し」創刊号は売れるの?
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まず雑誌「あなたの暮し」の創刊号は大いに売れることになります。
その大きな理由として、常子たちが勝負に出た新聞への広告戦略が
はまったからです。
このあたりは「スタイルブック」(「スタアの装ひ」のモデル雑誌)の創刊号で
花森安治がとった広告戦略の史実が下敷きになっています。
「スタイルブック」の創刊時にはさほど潤沢な資金はなかったのですが、
花森や大橋鎭子は読売などの三大全国紙はもちろんのこと、
地方紙にも新聞広告を掲載するという思い切った策に出ます。
その結果、大いに売れることになった「スタイルブック」ですが、
時系列は異なるものの、その戦略が「あなたの暮し」の創刊号で
描かれることになります。
この頃には常子の出版社の社名もあなたの暮し社になっていますが、
同社には地方からも雑誌を購入するためのたくさんの現金書留が
届くことになります。
新聞広告の戦略も見事にはまり常子たちの喜ぶ様子が目に浮かびそうですが、
「あなたの暮し」の創刊号が売れた理由はそれだけではありませんでした。
花山が提案した「直線裁ち」の企画も大いに読者にウケたのです。
直線裁ちって何?
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直線裁ちとは伝統的な和服の製作方法で、要は着る人の体型に捉われずに
生地を直線的に裁って縫い合わせる手法です。
日本では既に平安時代からこの直線裁ちで着物を作っていました。
戦後洋服などの西洋文化が大いに人気を得ましたが、
洋服地は高価で希少品でしたし、洋裁の技術も普及していませんでした。
それを解決したのが、反物や着物の生地と直線裁ちの和裁の技術で
洋服(主にワンピース)を作る方法です。
この方法は当時としては画期的で、型紙も不要で誰でも簡単にそして安く
洋服を作ることができたので、大きな反響がありました。
※追記
洋服は曲線を多く用いることから洋裁の技術が必要で、さらには
パターンと呼ばれる型紙を準備しなければなりませんでした。
しかもそのパターンを作るにも相応の知識と技術が必要でした。
これらすべてを直線裁ちは解決したのでした。
ドラマでは花山伊佐次の提案で「あなたの暮し」の創刊号に掲載されますが、
この手法はまさに庶民の暮しの向上に大きく貢献し、読者に大いにウケる
ことになります。
さらに常子たちは新聞社との共催で、直線裁ちによるワンピースの製作講座
を開催し、応募者が殺到することになります。
この手法は花山のモデルの花森安治が「スタイルブック」の創刊号で
提案したもので、大反響があったことから後継雑誌の「暮しの手帖」の
創刊号などでもたびたび取り上げた人気企画でした。
※追記
ドラマでは花山は娘の散髪をヒントに直線裁ちを思いつきますが、
花森安治は学生時代に直線裁ちで手製の服を作成していたので、
既に知識はありました
リアルでもこの直線裁ちによる洋服作りは好評で、
花森は「直線裁ちの洋服作りの先導者」とも
評価されています。
まさに庶民の暮しをも変えた直線裁ちですが、
ドラマではここで用いられるのですね~
ちなみに暮しの手帖の「直線裁ち」のページで長らくモデルを務めたのは、
社長の大橋鎭子自身でした。
(暮しの手帖の直線裁ちコーナー。モデルは大橋鎭子)
ドラマでも常子がモデルになるのでしょうか?
このあたりも楽しみですね♪
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