まんぷく|萬平が戦争に行かなかった理由が安藤百福と違う
朝ドラ『まんぷく』では、小野塚真一や香田忠彦、野呂幸吉らに赤紙が届いて福子とゆかりのある人たちが続々と戦地に派遣されていきます。
そんな中、彼女の最愛の夫である立花萬平は戦争には行きませんでした。
彼にも赤紙は届いて入隊はするのですが、新兵の身体検査に引っかかって、「即日帰郷」という処分になったためです。
どうやら憲兵隊に拘束されて暴行を受けた際の後遺症などで、身体に不具合が生じたようです。
当時としてはこれはかなり「不名誉」なことですが、戦死などすることないので視聴者としてはホッとするところです。
ところで萬平のモデルとなっている安藤百福も戦争には行っていませんが、ドラマとは大きく理由が異なります。
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萬平が戦争に行かなかった理由が安藤百福と違う
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萬平のモデルとなっている安藤百福が戦争に行かなかった理由は、当時の彼は台湾国籍だったからです(名前も呉百福だった)。
台湾は日清戦争終結のための下関条約により、明治28年(1895年)に清国から日本に割譲されて、その統治下に入っています。
そして昭和12年(1937年)に日中戦争が勃発後も、しばらくは台湾人は徴兵されませんでした。
やはり「元敵国民」ということで、政府も軍務に就かせることはできるだけ避けたようです。
ところが戦局の悪化によってそうもいっておられなくなり、昭和17年(1942年)には台湾人の陸軍への志願制度がはじまっています。
そしてその後のさらなる戦局の悪化によって、昭和19年(1944年)9月から台湾で徴兵制度が実施されています。
当時は深刻な兵隊不足でしたから、もはや台湾の人たちにもなりふり構わず日本人と同じように召集していました。
ところがそれは台湾でのことで、在日台湾人に大規模な徴兵をおこなったという記録は見当たりません。
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在日台湾人でも志願して入隊し戦争に行った人はいるものの、どうやら徴兵などはおこなわれなかったようです。
その明確な理由は定かではありませんが、当時の在日台湾人は在日中華民国人の華僑と同じような扱いでしたし、そのあたりに理由があるのかもしれません。
いずれにしても当時台湾国籍で大阪在住の呉百福は徴用されることなく、日本で終戦を迎えています。
ドラマでは萬平は日本人という設定ですから、このあたりは史実通りに描くことができずに、身体検査に不合格で「即日帰郷」となって戦争には行かなかったとなっているのです。
とは言え、戦争に行かなくとも太平洋戦争末期には大阪大空襲などもありますから、このあたりも心配ですね…
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